#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
リクエストはありよしさんより。ありがとうございました!
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「シャドウ5体、来ますっ!」
風花の声に、最初に反応したのはコロマルだった。どこからともなく現れたシャドウたちを睨みつけ、空気を切り裂くように一声吠える。
蒼い燐光が走り、遠吠えに応えるように現れたのは、コロマルのペルソナだ。地獄の番犬の放つ業火はシャドウ達に容赦なく襲い掛かり、その大半を灰と化す。
――しかし。
「まだ残ってる!」
りせの警告が響くと同時、一体のシャドウが炎の中から飛び出してきた。
数が多かったせいか、全滅させるには到らなかったらしい。その身を焼かれながらも、シャドウは振りかぶった腕をコロマル目がけて叩きつけようとする。
「そうはさせるかよっ!」
同時、シャドウの仮面に、陽介の投げた苦無が深々と突き刺さった。
名状し難い断末魔を残し、シャドウの姿が掻き消える。風花とりせ双方から敵の気配が消えたことが告げられると、各々が武器を下ろし安堵の息を吐いた。
「はー、しぶてぇの。大丈夫だったかー、コロマル?」
「ワン!」
そんな前衛二人のやり取りを横目で見つつ、後衛に控えていた善も念のためにぐるりと周囲を見回し、それからようやくボウガンを下ろす。
そのタイミングを見計らったように、善のマントをついと玲が引いた。
「? どうした、玲」
「ねえ、善。コロちゃんと陽ちゃんって、似てるね」
その言葉に善は首を傾げる。ヒトとイヌが似ているとはどういうことだろう。コロマルは白いが陽介は茶色い。外見的には、似ているところはないように思える。
「……短剣が武器で、足が速いところ、か?」
辛うじて思いつくことが出来た共通点はそれくらいだった。けれどやはり、玲の思惑は違っていたらしい。
「それもあるけど、そういうところじゃなくて、ほら、ああいうところ」
玲が指した方に視線を向ければ、コロマルには理が、陽介には悠がそれぞれ労いの言葉を掛けていた。
「お疲れ様、コロマル」
「ワン!」
「流石だな、陽介」
「へへっ、これくらい任せとけって、相棒!」
応える一人と一匹が返す声には、誇らしさと自信と喜びが溢れている。陽介に尻尾があればきっとコロマルの様にぱたぱた振っているだろうし、コロマルが人の言葉を話せるのなら陽介と同じような事を言っているのだろう。そう見るものに思わせるには充分すぎるほど、彼らの反応はよく似ていた。
「……成程。玲の言う通りだな」
「だよね!」
良く見ているなと褒めると、玲はえへへとはにかんで笑う。
玲も少しあの二人に似ているかもしれない。そんなことを考えながら、善は玲の頭をふわりと優しく撫でた。
リクエストはありよしさんより。ありがとうございました!
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「シャドウ5体、来ますっ!」
風花の声に、最初に反応したのはコロマルだった。どこからともなく現れたシャドウたちを睨みつけ、空気を切り裂くように一声吠える。
蒼い燐光が走り、遠吠えに応えるように現れたのは、コロマルのペルソナだ。地獄の番犬の放つ業火はシャドウ達に容赦なく襲い掛かり、その大半を灰と化す。
――しかし。
「まだ残ってる!」
りせの警告が響くと同時、一体のシャドウが炎の中から飛び出してきた。
数が多かったせいか、全滅させるには到らなかったらしい。その身を焼かれながらも、シャドウは振りかぶった腕をコロマル目がけて叩きつけようとする。
「そうはさせるかよっ!」
同時、シャドウの仮面に、陽介の投げた苦無が深々と突き刺さった。
名状し難い断末魔を残し、シャドウの姿が掻き消える。風花とりせ双方から敵の気配が消えたことが告げられると、各々が武器を下ろし安堵の息を吐いた。
「はー、しぶてぇの。大丈夫だったかー、コロマル?」
「ワン!」
そんな前衛二人のやり取りを横目で見つつ、後衛に控えていた善も念のためにぐるりと周囲を見回し、それからようやくボウガンを下ろす。
そのタイミングを見計らったように、善のマントをついと玲が引いた。
「? どうした、玲」
「ねえ、善。コロちゃんと陽ちゃんって、似てるね」
その言葉に善は首を傾げる。ヒトとイヌが似ているとはどういうことだろう。コロマルは白いが陽介は茶色い。外見的には、似ているところはないように思える。
「……短剣が武器で、足が速いところ、か?」
辛うじて思いつくことが出来た共通点はそれくらいだった。けれどやはり、玲の思惑は違っていたらしい。
「それもあるけど、そういうところじゃなくて、ほら、ああいうところ」
玲が指した方に視線を向ければ、コロマルには理が、陽介には悠がそれぞれ労いの言葉を掛けていた。
「お疲れ様、コロマル」
「ワン!」
「流石だな、陽介」
「へへっ、これくらい任せとけって、相棒!」
応える一人と一匹が返す声には、誇らしさと自信と喜びが溢れている。陽介に尻尾があればきっとコロマルの様にぱたぱた振っているだろうし、コロマルが人の言葉を話せるのなら陽介と同じような事を言っているのだろう。そう見るものに思わせるには充分すぎるほど、彼らの反応はよく似ていた。
「……成程。玲の言う通りだな」
「だよね!」
良く見ているなと褒めると、玲はえへへとはにかんで笑う。
玲も少しあの二人に似ているかもしれない。そんなことを考えながら、善は玲の頭をふわりと優しく撫でた。
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