#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
リクエストは観月さんより。ありがとうございました!
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迷宮には、時々野生の果物やキノコが生えていたりすることがある。
その中には毒をもつものも多少なりとあるが、大概は食えるし、意外と美味しいものも少なくない。
冒険においては休息の意味でも、エネルギーを補給するという意味でも食はかなり重要だ。
だから、そういう食えそうなものを見つけたら、俺達は出来るだけ手を出すようにしているのだが。
流石にこればかりは、抵抗があった。
「……なんでしょう、これ。お皿に載っているということは、食べ物なのでしょうか」
「あ、やっぱウロビト的にもこれは無し?」
「ううううう、おいしくなさそうだよぅ……」
「というか、気持ち悪いです」
「……簡易検査の結果的には問題なさそうだけど、どうしようかしらねぇ……」
俺達の目の前にあるのは、皿に盛られた、赤いぶよぶよとした謎の物体だった。
一見するとどう見ても内蔵である。てらてらと光っていて正直気味が悪くて仕方ない。
できれば見ないことにしてスルーしたかったのだが、だが、しかし。
ぐぅ。
一斉に鳴り響く俺達の腹の虫の声が、それを許さなかった。
>君たちはそれを食べてもいいし、食べなくてもいい
リクエストは観月さんより。ありがとうございました!
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迷宮には、時々野生の果物やキノコが生えていたりすることがある。
その中には毒をもつものも多少なりとあるが、大概は食えるし、意外と美味しいものも少なくない。
冒険においては休息の意味でも、エネルギーを補給するという意味でも食はかなり重要だ。
だから、そういう食えそうなものを見つけたら、俺達は出来るだけ手を出すようにしているのだが。
流石にこればかりは、抵抗があった。
「……なんでしょう、これ。お皿に載っているということは、食べ物なのでしょうか」
「あ、やっぱウロビト的にもこれは無し?」
「ううううう、おいしくなさそうだよぅ……」
「というか、気持ち悪いです」
「……簡易検査の結果的には問題なさそうだけど、どうしようかしらねぇ……」
俺達の目の前にあるのは、皿に盛られた、赤いぶよぶよとした謎の物体だった。
一見するとどう見ても内蔵である。てらてらと光っていて正直気味が悪くて仕方ない。
できれば見ないことにしてスルーしたかったのだが、だが、しかし。
ぐぅ。
一斉に鳴り響く俺達の腹の虫の声が、それを許さなかった。
>君たちはそれを食べてもいいし、食べなくてもいい
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キャラプロファイリング(http://studiochaos.web.fc2.com/shi/shi13.html)35の質問やってみた。まさかの森見。
01 名前
森見八雲(もりみ やくも)
02 ポジション
多分主人公ですらない語り部
03 愛称
森見
04 由来
言わずともがな森見登美彦と小泉八雲
05 一人称
俺
06 生年月日
1994年6月27日
07 年齢
17歳のはずだがなんかよく分からない。
08 身長/体重
172cm/60kg
09 髪と瞳の色
くすんだ灰色。インドアのせいか全体的に色素薄い
10 出身地
京都
11 家族構成
父、母、成人済みの歳の離れた姉
12 既婚/未婚
未婚
13 職業
高校生・作家
14 経歴
基本学生。しかし中学生のころに作家デビュー。妙な切り口のエッセイの評価が高い。
15 趣味
昼寝・散歩
16 特技
記憶力がいい・3日貫徹できる(しかしそのあと5日寝る)
17 資格
漢検1級・タイピング検定1級
18 性格
変人・理屈っぽい・世間とズレてる
19 長所
知識の豊富さ・口が回ること
20 短所
常識に欠ける・自分がコミュ障だと気付かないコミュ障
21 コンプレックス
ない。
22 癖/口癖
〆切前になると「そうだ、京都帰ろう」とか言い出す。文語調の喋り方を多用する。
23 性癖
おっぱいは正義。黒髪ロング最強。
24 座右の銘
面白きことは良きことなり・温故知新
25 フレグランス
畳の匂い
26 イメージカラー
青竹色
27 イメージフラワー
竹
28 好きな飲食物
玉露
29 嫌いな飲食物
甘すぎたり辛すぎたり苦すぎたりするようなもの
30 好きな動物
狐・狸・猫
31 憧れの人
夏目漱石
32 理想のタイプ
高等遊民
33 秘密事項
ステータスは伝達力と知識は振り切れているがその他は底辺。
ペルソナも呼べるのかどうか怪しいが恐らく魔法系スキルしか使わない。
こいつに限っては花主にも主花にも何にもならぬ。
34 補足事項
ときどき守宮久茂というペンネームで雑誌に寄稿している。短編とエッセイが主。
周囲には特に知らせていない。花村は知っているけど読まない。
35 重要度
事件にはかかわっているが多分クマとひさ乃さんと小夜子さんだけじゃないだろうか、こいつがコミュMAXになるの。基本蚊帳の外の住人。
01 名前
森見八雲(もりみ やくも)
02 ポジション
多分主人公ですらない語り部
03 愛称
森見
04 由来
言わずともがな森見登美彦と小泉八雲
05 一人称
俺
06 生年月日
1994年6月27日
07 年齢
17歳のはずだがなんかよく分からない。
08 身長/体重
172cm/60kg
09 髪と瞳の色
くすんだ灰色。インドアのせいか全体的に色素薄い
10 出身地
京都
11 家族構成
父、母、成人済みの歳の離れた姉
12 既婚/未婚
未婚
13 職業
高校生・作家
14 経歴
基本学生。しかし中学生のころに作家デビュー。妙な切り口のエッセイの評価が高い。
15 趣味
昼寝・散歩
16 特技
記憶力がいい・3日貫徹できる(しかしそのあと5日寝る)
17 資格
漢検1級・タイピング検定1級
18 性格
変人・理屈っぽい・世間とズレてる
19 長所
知識の豊富さ・口が回ること
20 短所
常識に欠ける・自分がコミュ障だと気付かないコミュ障
21 コンプレックス
ない。
22 癖/口癖
〆切前になると「そうだ、京都帰ろう」とか言い出す。文語調の喋り方を多用する。
23 性癖
おっぱいは正義。黒髪ロング最強。
24 座右の銘
面白きことは良きことなり・温故知新
25 フレグランス
畳の匂い
26 イメージカラー
青竹色
27 イメージフラワー
竹
28 好きな飲食物
玉露
29 嫌いな飲食物
甘すぎたり辛すぎたり苦すぎたりするようなもの
30 好きな動物
狐・狸・猫
31 憧れの人
夏目漱石
32 理想のタイプ
高等遊民
33 秘密事項
ステータスは伝達力と知識は振り切れているがその他は底辺。
ペルソナも呼べるのかどうか怪しいが恐らく魔法系スキルしか使わない。
こいつに限っては花主にも主花にも何にもならぬ。
34 補足事項
ときどき守宮久茂というペンネームで雑誌に寄稿している。短編とエッセイが主。
周囲には特に知らせていない。花村は知っているけど読まない。
35 重要度
事件にはかかわっているが多分クマとひさ乃さんと小夜子さんだけじゃないだろうか、こいつがコミュMAXになるの。基本蚊帳の外の住人。
キャラプロファイリング(http://studiochaos.web.fc2.com/shi/shi13.html)35の質問やってみた。
01 名前
在原卯月(ありはら うづき)
02 ポジション
八方美人系ガッカリ主人公
03 愛称
卯月、うーちゃん、うさぎくん、うさたん
04 由来
在原業平と生まれ月
05 一人称
俺
06 生年月日
1995年4月1日
07 年齢
八十稲羽にいる時は16歳。
08 身長/体重
高2時点で178cm。伸びしろはもう殆ど無く179cm止まり。体重は63kgくらい。
09 髪と瞳の色
灰銀色 1/8くらいどこか外国の血が混ざっているが詳細不明。
10 出身地
東京
11 家族構成
父、母。但し両親は随分前から別居中。母に養育されている。
12 既婚/未婚
未婚
13 職業
学生
14 経歴
小学生のころから数年おきに転校を繰り返している。短期間だが大阪や福岡にいたことも。
15 趣味
釣り・料理・子どもと遊ぶこと
16 特技
とくになし
17 資格
漢検2級・英検準2級・少しピアノが弾ける
18 性格
温厚・人懐こい・ネアカに見せかけた根暗・限定一名様にのみツンデレ気質
19 長所
社交性の高さ・聞き上手・自制心の高さ
20 短所
八方美人・優柔不断・押しに弱い・滅多に本音を出さない
21 コンプレックス
表に出さないが結構自分嫌い。あと最近は花村を間違った道に引き込んだことに悩んでいる。
22 癖/口癖
都合の悪いことがあると口数が多くなる。照れたときとかめっちゃ早口。
23 性癖
ほぼノーマル。相棒の拘束趣味に手を焼いている。結構恥ずかしがり。
24 座右の銘
笑う門には福来る・一意専心
25 フレグランス
多分シトラス系
26 イメージカラー
淡い桃色
27 イメージフラワー
ブーゲンビリア
28 好きな飲食物
洋菓子・オムライス
29 嫌いな飲食物
物体X
30 好きな動物
猫・うさぎ
31 憧れの人
母親・花村・小学校の時の担任
32 理想のタイプ
真っ直ぐな人・優しい人
33 秘密事項
元遊び人・4股経験者・極度の寒がり・ホラーが苦手・アルコールに弱い。
実は二周目主人公だが、一周目の主人公とは全くの別人で引き継いだのはペルソナ全書のみ。
花村と付き合ってはいるし大好きだが常に別れる時のことを念頭に置いている。名前を呼ばないのもこのあたりの事情。
34 補足事項
アルカナイメージは『星』、または『魔術師』逆位置
バトルスタイルはオールラウンダーではあるが完二に近い。主にバス停を愛用し、防御に使用していた。
時々出てくる女の子のシャドウは、拗らせた花村への恋心を核とする永劫属性の『クシナダヒメ』。補助寄り性能。
35 重要度
2011年八十稲羽においては最重要だが、ペルソナを扱えるのは稲羽市周辺だけであり、離れて以降は非日常の物語の中心にいることはない。
01 名前
在原卯月(ありはら うづき)
02 ポジション
八方美人系ガッカリ主人公
03 愛称
卯月、うーちゃん、うさぎくん、うさたん
04 由来
在原業平と生まれ月
05 一人称
俺
06 生年月日
1995年4月1日
07 年齢
八十稲羽にいる時は16歳。
08 身長/体重
高2時点で178cm。伸びしろはもう殆ど無く179cm止まり。体重は63kgくらい。
09 髪と瞳の色
灰銀色 1/8くらいどこか外国の血が混ざっているが詳細不明。
10 出身地
東京
11 家族構成
父、母。但し両親は随分前から別居中。母に養育されている。
12 既婚/未婚
未婚
13 職業
学生
14 経歴
小学生のころから数年おきに転校を繰り返している。短期間だが大阪や福岡にいたことも。
15 趣味
釣り・料理・子どもと遊ぶこと
16 特技
とくになし
17 資格
漢検2級・英検準2級・少しピアノが弾ける
18 性格
温厚・人懐こい・ネアカに見せかけた根暗・限定一名様にのみツンデレ気質
19 長所
社交性の高さ・聞き上手・自制心の高さ
20 短所
八方美人・優柔不断・押しに弱い・滅多に本音を出さない
21 コンプレックス
表に出さないが結構自分嫌い。あと最近は花村を間違った道に引き込んだことに悩んでいる。
22 癖/口癖
都合の悪いことがあると口数が多くなる。照れたときとかめっちゃ早口。
23 性癖
ほぼノーマル。相棒の拘束趣味に手を焼いている。結構恥ずかしがり。
24 座右の銘
笑う門には福来る・一意専心
25 フレグランス
多分シトラス系
26 イメージカラー
淡い桃色
27 イメージフラワー
ブーゲンビリア
28 好きな飲食物
洋菓子・オムライス
29 嫌いな飲食物
物体X
30 好きな動物
猫・うさぎ
31 憧れの人
母親・花村・小学校の時の担任
32 理想のタイプ
真っ直ぐな人・優しい人
33 秘密事項
元遊び人・4股経験者・極度の寒がり・ホラーが苦手・アルコールに弱い。
実は二周目主人公だが、一周目の主人公とは全くの別人で引き継いだのはペルソナ全書のみ。
花村と付き合ってはいるし大好きだが常に別れる時のことを念頭に置いている。名前を呼ばないのもこのあたりの事情。
34 補足事項
アルカナイメージは『星』、または『魔術師』逆位置
バトルスタイルはオールラウンダーではあるが完二に近い。主にバス停を愛用し、防御に使用していた。
時々出てくる女の子のシャドウは、拗らせた花村への恋心を核とする永劫属性の『クシナダヒメ』。補助寄り性能。
35 重要度
2011年八十稲羽においては最重要だが、ペルソナを扱えるのは稲羽市周辺だけであり、離れて以降は非日常の物語の中心にいることはない。
【AM 10:00 GAME START】
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その日目を覚ますと俺は、花村と二人、見慣れぬ部屋にいた。
「――?」
隣でのんきに眠る花村の寝息を聞きながら、のそりと寝ていたベッドから身を起こして辺りを見回す。
――そこは、八畳ほどの部屋だった。
フローリングの床と、四方を囲む白い壁。部屋の中央には小さな机が置かれ、右と左の壁に、向かい合うようにしてドアがある。ベッドの真正面の壁にはデジタル時計が掛けられていて、現在時刻が午前十時であることを教えてくれていた。他にはエアコンと、小さな通風孔が上部に確認できる。部屋の隅には小さいけれど冷蔵庫が置いてあった。
全体的に生活感の薄い、殺風景な部屋だ。当然だけれど、うちにこんな部屋は無い。
というか、なんで俺達はこんなところに居るんだろうか。昨日はそれぞれの部屋で寝ていたはずなのに。
「……どこだよ、ここ」
不安に逸る気持ちを押さえつけるように深呼吸を一つ、隣で眠る花村を起こさないように、そっとベッドから降りる。
狼狽えている場合じゃない。先ずは、現状把握に努めなければ。
――とりあえず、外に出れば何かわかるかもしれない。
そう考えながら、とりあえず左手のドアの把手に手をかけてみたが、どれだけ力を入れても全く動く様子を見せない。どうやらこの扉は施錠されているらしかった。
ならばと踵を返して、後ろに会ったもう一つのドアの把手へと手を伸ばす。こちらは少し力を入れるだけであっさりと開いたが、奥にあったのは洗面所とトイレ、それからバスルームだけだった。こちらにも、窓はない。
少し落胆しながら最初の部屋に戻り、今度は部屋の隅にあった冷蔵庫の扉を開ける。スカスカの冷蔵庫の中には、それでも500mlのミネラルウォーターのペットボトルが4本と、それからゼリー飲料が2つ、それとカロリーメイト4本入りが4種1箱ずつ突っ込まれていた。それ以外には、特に食料もヒントになりそうなものもない。
冷蔵庫の扉を閉め、それから、最後にふっと机の上を見て――溜息を吐く。
机の上には、二枚の封筒。片方には俺の名前、片方には花村の名前が宛名として書かれていた。そして、その横に踊るのは「密室からの脱出方法」の文字。
流石にここまでくれば、寝起きで鈍った頭も現状を理解する。
――さっぱり意味が分からないが、つまり、俺達は二人で、何者かの手によって拉致されて、この部屋に閉じ込められてしまっているらしい。
「……どこの脱出ゲームだよ」
呻くが応える声はない。
返事がないことは知っていた気がするけれど、やはり苛つく。人を攫ってこんな所に閉じ込めて、一体何だっていうんだ!
俺は自分の名前の書いてある封筒を手に取り、怒り任せ、乱暴にその封を破った。
引き出した便箋を開き、書かれた文章をざっと目で追って――
「…………は」
そして、絶句した。
中から出てきた便箋に書かれた脱出方法は、実にシンプルで。
かつ、とんでもないものだったからだ。
『12時間以内に、花村陽介とセックスする事』
ちょっと待ておいコラ、ふざけんな、なんだそれ!
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その日目を覚ますと俺は、花村と二人、見慣れぬ部屋にいた。
「――?」
隣でのんきに眠る花村の寝息を聞きながら、のそりと寝ていたベッドから身を起こして辺りを見回す。
――そこは、八畳ほどの部屋だった。
フローリングの床と、四方を囲む白い壁。部屋の中央には小さな机が置かれ、右と左の壁に、向かい合うようにしてドアがある。ベッドの真正面の壁にはデジタル時計が掛けられていて、現在時刻が午前十時であることを教えてくれていた。他にはエアコンと、小さな通風孔が上部に確認できる。部屋の隅には小さいけれど冷蔵庫が置いてあった。
全体的に生活感の薄い、殺風景な部屋だ。当然だけれど、うちにこんな部屋は無い。
というか、なんで俺達はこんなところに居るんだろうか。昨日はそれぞれの部屋で寝ていたはずなのに。
「……どこだよ、ここ」
不安に逸る気持ちを押さえつけるように深呼吸を一つ、隣で眠る花村を起こさないように、そっとベッドから降りる。
狼狽えている場合じゃない。先ずは、現状把握に努めなければ。
――とりあえず、外に出れば何かわかるかもしれない。
そう考えながら、とりあえず左手のドアの把手に手をかけてみたが、どれだけ力を入れても全く動く様子を見せない。どうやらこの扉は施錠されているらしかった。
ならばと踵を返して、後ろに会ったもう一つのドアの把手へと手を伸ばす。こちらは少し力を入れるだけであっさりと開いたが、奥にあったのは洗面所とトイレ、それからバスルームだけだった。こちらにも、窓はない。
少し落胆しながら最初の部屋に戻り、今度は部屋の隅にあった冷蔵庫の扉を開ける。スカスカの冷蔵庫の中には、それでも500mlのミネラルウォーターのペットボトルが4本と、それからゼリー飲料が2つ、それとカロリーメイト4本入りが4種1箱ずつ突っ込まれていた。それ以外には、特に食料もヒントになりそうなものもない。
冷蔵庫の扉を閉め、それから、最後にふっと机の上を見て――溜息を吐く。
机の上には、二枚の封筒。片方には俺の名前、片方には花村の名前が宛名として書かれていた。そして、その横に踊るのは「密室からの脱出方法」の文字。
流石にここまでくれば、寝起きで鈍った頭も現状を理解する。
――さっぱり意味が分からないが、つまり、俺達は二人で、何者かの手によって拉致されて、この部屋に閉じ込められてしまっているらしい。
「……どこの脱出ゲームだよ」
呻くが応える声はない。
返事がないことは知っていた気がするけれど、やはり苛つく。人を攫ってこんな所に閉じ込めて、一体何だっていうんだ!
俺は自分の名前の書いてある封筒を手に取り、怒り任せ、乱暴にその封を破った。
引き出した便箋を開き、書かれた文章をざっと目で追って――
「…………は」
そして、絶句した。
中から出てきた便箋に書かれた脱出方法は、実にシンプルで。
かつ、とんでもないものだったからだ。
『12時間以内に、花村陽介とセックスする事』
ちょっと待ておいコラ、ふざけんな、なんだそれ!
「なんで男女の性差が元々あんのに、αだのΩだのまであるんかなぁ」
「俺はそれを人間という種の危機感が生み出したものだと考えている」
「……はぃ?」
「自然の営みに任せては、種として生き残れないと感じたんじゃないか」
「誰が」
「さぁ。神様か、それとも人間の種の本能という奴か」
「なんかいきなり変な話になったな……」
「だって考えてもみろ。αとΩのつがい関係とかって、露骨にあれだろ、αの優秀な遺伝子を何としてでも残そうとする仕組みだろ」
「まぁ、うん」
「優秀な遺伝子が多く次代に継がれれば、人間という種はその分強くなっていく。その強化の手段として、何者かの意志によって繁殖という観点において進化した人間・αとΩが生まれたと考えればそれなりに納得がいかないか?」
「えーと。αとΩは、俺たちβとはそもそも違う、ってこと?」
「可能性はある。今は比率少ないけど、そのうち増えてきたら新たなヒト属として明確に区別され始めるかもな」
「……そしたらβも、今のΩみたいに虐げられたりすんのかな」
「まぁ、αの比率がβに近づいたらそうなるかもな。ただ、そうなるとしてもまだまだ先の話だ。優秀な遺伝子同士が、互いの食い合いをはじめないとも限らないわけだし……というかこれ、そもそも全部机上の空論だって」
「……だからなんでお前αじゃねーの……?」
「さぁ?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「しかし、なんでΩなんだろ?」
「突然どうした」
「いや。αとβはわかるんだ。一番最初と次だから。でもさ。なんでそこでいきなりΩまで飛ぶのかなと。良く知らないけど、Ωって最後なんだろ?」
「そんなこと言ったら血液型だってABOじゃないか」
「あ、そっか。ABO……」
「あるふぁ、べーた、おめが……?」
「あ」
「あ」
「それか!」
「それかも」
「やべぇすげぇ! なんか大発見した気分!」
「でもOって他にオミクロンってあるけどな?」
「あれ!?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「まぁ、なんだ」
「うん」
「優れた遺伝子持ってるわけじゃなし、そもそも子供作れないけど、これからもよろしく」
「あはは、それこっちのセリフだぜ相棒」
「俺はそれを人間という種の危機感が生み出したものだと考えている」
「……はぃ?」
「自然の営みに任せては、種として生き残れないと感じたんじゃないか」
「誰が」
「さぁ。神様か、それとも人間の種の本能という奴か」
「なんかいきなり変な話になったな……」
「だって考えてもみろ。αとΩのつがい関係とかって、露骨にあれだろ、αの優秀な遺伝子を何としてでも残そうとする仕組みだろ」
「まぁ、うん」
「優秀な遺伝子が多く次代に継がれれば、人間という種はその分強くなっていく。その強化の手段として、何者かの意志によって繁殖という観点において進化した人間・αとΩが生まれたと考えればそれなりに納得がいかないか?」
「えーと。αとΩは、俺たちβとはそもそも違う、ってこと?」
「可能性はある。今は比率少ないけど、そのうち増えてきたら新たなヒト属として明確に区別され始めるかもな」
「……そしたらβも、今のΩみたいに虐げられたりすんのかな」
「まぁ、αの比率がβに近づいたらそうなるかもな。ただ、そうなるとしてもまだまだ先の話だ。優秀な遺伝子同士が、互いの食い合いをはじめないとも限らないわけだし……というかこれ、そもそも全部机上の空論だって」
「……だからなんでお前αじゃねーの……?」
「さぁ?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「しかし、なんでΩなんだろ?」
「突然どうした」
「いや。αとβはわかるんだ。一番最初と次だから。でもさ。なんでそこでいきなりΩまで飛ぶのかなと。良く知らないけど、Ωって最後なんだろ?」
「そんなこと言ったら血液型だってABOじゃないか」
「あ、そっか。ABO……」
「あるふぁ、べーた、おめが……?」
「あ」
「あ」
「それか!」
「それかも」
「やべぇすげぇ! なんか大発見した気分!」
「でもOって他にオミクロンってあるけどな?」
「あれ!?」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「まぁ、なんだ」
「うん」
「優れた遺伝子持ってるわけじゃなし、そもそも子供作れないけど、これからもよろしく」
「あはは、それこっちのセリフだぜ相棒」