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書き散らかしたもの置き場
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#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
リクエストは観月さんより。ありがとうございました!
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 ぴいぃ、と高く鳥の声がする。
 その声に、三日月宗近はふとその面を上げた。
 今のは何の鳥の鳴き声であろうか。遠い昔に聞いたことのあるような、そうでないような。
 取り留めもなく考えながら、三日月はてくてくと歩を進める。目的地はこれといってない。ただ、気の向くままに歩いているだけだ。

 三日月は、散歩が好きである。
 己が足で大地を踏みしめ、美しい山野の景色を眺め、風の音を聞き、その中に季節の匂いを嗅ぎ取る。
 五感の全てで世界を感じる。そのことが、とてつもなく面白く、そして嬉しいことであるからだ。
 刀として創り出された己には、生涯出来ないと思っていたことが出来る。
 人の身体を与えられたのは「歴史修正主義者と戦う」という理由に寄るものだけれども、それでもこの体験は悪くない。
「ふふ、長生きはするものよ」
 小さく笑うと、どこかでまた鳥が鳴いた。
「善哉、善哉」

↓↓↓一方そのころの本丸↓↓↓

「おいまた三日月爺いなくなってんぞ!?」
「えっ嘘!?」
「そんな馬鹿な、だってGPSの反応は本丸内に……!」
「部屋に置き去りにされてた」
「あの爺あれほど持ち歩けと言ったのに!!!」
「探せ、そう遠くへは行っていないはずだっ!!!」
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#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
リクエストは蔦さん(つがるさん)より。ありがとうございました!
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 ぽつん、と鼻先に、突然水滴が落ちてきた。
 それにつられるように空を仰ぐ。視界を埋め尽くすのは澄んだ青色、今日は雲一つない晴天だ。
 眩い日の光に目を細めながら、小狐丸ははて、と首を傾げた。
「そんなところで何してるんだい、小狐丸」
 不意に、背中に声が掛けられる。良く聞き知るその声は、彼の主こと審神者のものだった。
「あぁ、これはぬしさま。いえ、このような陽気であるというのに、どこかから雨粒が落ちてきたようでして」
「雨?」
 審神者が小狐丸と同じように空を見上げた瞬間、再び水が落ちてきた感触がした。今度は手だ。
「ほら、また」
 小狐丸が差し出した手に水滴を認めた審神者は、あぁ、成程と一つ頷く。
「狐の嫁入りか」
 聞き慣れない単語に、小狐丸はこてんと首を傾げた。
「きつねの、よめいり? 私はどこにも輿入れの予定はありませんが……はっ、もしやこんのすけ殿か鳴狐殿が!? それは目出度い!」
「ぶふっ」
「……? ぬしさま、突然どうかいたしましたか、蹲ってしまわれて。御気分でも優れませんか?」
「いや気にしないで、その発想は無かっただけだから」
#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
リクエストは観月さんより。ありがとうございました!
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 薬研藤四郎、またの名を薬研通吉光。
 硬い薬研を貫き通すだけの鋭さ、強さを持ちながらも、主人の命を奪うを良しとせず、傷一つ付けなかったという逸話を持つその刃に宿るその御霊は、うつくしい少年の姿をしていた。

 黒曜の髪に白皙の肌、紫水晶の瞳。すらと伸びた四肢は細く、儚さすら感じられる。
 けれど、彼は紛うことなく『薬研藤四郎』そのものであった。
 敵と相対すれば臆することなく疾風の如き速さで懐へと飛び込み、一片の迷いも慈悲もなく一息に、その急所を貫き息の根を止める。
 あの細い身体のどこにそんな力があるのかと思う程に激しい気を吐いて、薬研藤四郎は戦場を駆ける。その働きは、太刀や大太刀にも引けを取らぬものであった。
 けれど、ひとたび戦場を離れると、薬研への評価はがらりと変わる。
 本丸での彼は、常に飄々と、しかし泰然とした態度を崩すことなく在る。けれど決して他者を拒んでいるわけではなく、寧ろ進んで面倒を見る、いわば兄貴分のような存在だった。医術の心得も持ち合わせており、彼を頼りにするものは刀剣の種類を問わず多い。

 儚い容姿に折れぬ心と類なき強さ。
 烈火の如き苛烈さと、全てを受け入れる大地のような度量の広さ。
 人にも物事にも様々な面があるとは知っているし理解しているけれども、薬研ほど多くの面を持つ存在を見たことはなかった。

「薬研はなんていうか、すごいよねえ。アンバランスが重なって綺麗にバランスとってるというか」

 感嘆混じりの溜息と共にそう呟くと、近侍である薬研の兄、一期一振はくすりと小さく笑った。
#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
リクエストは笑子さんより。ありがとうございました!
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「俺、実は今卯月と付き合ってんだ」

 ――そう仲間たちに告白するのには、決して少なくない勇気を必要としたというのに。

「はぁ、そっスか」
「そんなのとっくに知ってたー。花村センパイずるーい!」
「ていうかばれてないと思ってたの……?ぷぷっ」
「あ、ちょっと花村!雪子のツボ入っちゃったじゃんどうすんの!」

 仲間たちのリアクションは総じて、なんだか冷たいものでした。
「……あの、何この反応」
「あぁ……えっと、申し訳ありません、花村先輩。僕たち、その、皆薄々は感付いていまして……」
「何それ!?」
 完全に初耳だ。っつーか、なんでこっちの方が驚かされてんだよ!?
「え、なんで?! そんな分かりやすかった!?」
「まぁ、先輩がたが特別に仲良いっつーのは知ってましたけど、それにしたって距離近すぎだろと」
「卯月センパイ、花村センパイにだけは遠慮しないしねー」
「……ま、そんなわけで。今更あたしたち、アンタたちの関係についてどうこう言う気はないよ。二人とも大事な友達、そこは変わんないから」
「そ、そっか……」
 容赦の無い物言いに、けれど、ものすごく安堵する。
 最悪縁を切られるんじゃないか、なんてそんなことを考えていたのだけれど、そんな心配は完全に杞憂だったようだ。
 否定することなく、あるがままを受け入れてくれる。それがどんなに嬉しいことか。
 やっぱりみんな、凄くいい奴らばっかりだ。
 ……そう、思ったんだけど。
「けどでも、面白くはないよね。私、在原くんに振られてるし」
「あたしだってそうだよー、今も卯月センパイ大好きなのに!」
「こんなガッカリに負けたかと思うとなんか腹立つよねー。そこはあたしも同意するわ」
「え」
 天城と里中とりせの不穏な発言に、そそくさと立ち上がった完二と直斗が揃って俺に同情的な視線を向けてきた。
「それじゃあ花村センパイ、俺らこれで失礼するっス。修羅場はごめんなんで」
「え!?」
「ご武運を」
 言い残してすたすたと二人は去っていく。残されたのは、怖い目をした女子三人と俺だけだ。

「さて、そんなわけで」
「花村センパイ」
「覚悟はいいかな?」

 ……俺、生きて帰れるだろうか。

#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
ありよしさん(@ta_halocline55)家の自宅主くん、時任智紘くんをお借りしています。
リクエストは勿論ありよしさん。ありがとうございました!
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 日本から最も近い欧州と言っても、10時間近くのフライトは流石に堪える。
 軽く首を回しながら、智紘はふぅ、と溜息を吐いた。
 どうやら少し疲れているらしい。昔はもう少し体力があったのにとも思うが、そろそろ不惑の年を迎えるのだから当然と言えば当然だ。。
 かといってこのまま衰えるのも面白くはない。何か運動でも始めた方がいいだろうか。
 そんなことを考えながら向かったロビーで、思いもかけない姿を見つけ、智紘は軽く目を見開いた。
「陽介?」
「お、おかえり、智紘」
 名を呼べば彼はすぐこちらに気付き、笑って智紘を迎えた。わざわざ迎えに来てくれたらしい。
 歳をとっても変わらないその温かな笑みと心遣いに、ふっと疲れていた体が軽くなったような気がした。
「うん、ただいま」

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