#リプ来たキャラごとに今思いついた書く予定なんてひとつもない小説の一部分を書く
リクエストは観月さんより。ありがとうございました!
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「たっだいまー!」
玄関の扉を開けると同時に放った言葉に、おう、と短い無愛想な声と、わん! と元気な声が応えた。ててて、とコロマルが足元に寄ってきたので、屈んでわしわしと頭を撫でる。今日もいい触り心地だ。もふもふを堪能して幸せに浸っていると、玄関ロビーの奥から荒垣先輩が姿を見せた。
「今日は早かったな」
「先生が出張で、部活が休みだったんです。だからたまには早く帰って、コロマルの散歩にでも行こうかなと思って」
散歩という単語を聞いた瞬間、コロマルの耳がぴんと立つ。尻尾をぱたぱた振って、もう一声嬉しそうに吠えた。
「ふふ、喜んでもらえてるみたい」
「コロちゃ……コロマルは散歩好きだからな。暗くならないうちに帰って来いよ」
「……良ければ、荒垣先輩も一緒にどうですか?」
「いや、俺は……」
首を横に振りかけた先輩の動きが、コロマルのつぶらな目に見上げられた瞬間に止まる。くぅん……と寂しそうな声で鳴くという更なる駄目押しに、先輩は思わず助けを求めるかのように私の方に視線を移して、それからぴたりと固まってしまった。
「……先輩?」
「わふ?」
コロマルと二人、どうかしましたかと首を傾げて聞くと、ややあって、硬直から回復した先輩は、諦めたように長い溜息を吐いて。
「……わかったよ、行く。行くからお前ら、頼む、揃ってそんな目で見んな」
そう呻くように呟いた。
リクエストは観月さんより。ありがとうございました!
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「たっだいまー!」
玄関の扉を開けると同時に放った言葉に、おう、と短い無愛想な声と、わん! と元気な声が応えた。ててて、とコロマルが足元に寄ってきたので、屈んでわしわしと頭を撫でる。今日もいい触り心地だ。もふもふを堪能して幸せに浸っていると、玄関ロビーの奥から荒垣先輩が姿を見せた。
「今日は早かったな」
「先生が出張で、部活が休みだったんです。だからたまには早く帰って、コロマルの散歩にでも行こうかなと思って」
散歩という単語を聞いた瞬間、コロマルの耳がぴんと立つ。尻尾をぱたぱた振って、もう一声嬉しそうに吠えた。
「ふふ、喜んでもらえてるみたい」
「コロちゃ……コロマルは散歩好きだからな。暗くならないうちに帰って来いよ」
「……良ければ、荒垣先輩も一緒にどうですか?」
「いや、俺は……」
首を横に振りかけた先輩の動きが、コロマルのつぶらな目に見上げられた瞬間に止まる。くぅん……と寂しそうな声で鳴くという更なる駄目押しに、先輩は思わず助けを求めるかのように私の方に視線を移して、それからぴたりと固まってしまった。
「……先輩?」
「わふ?」
コロマルと二人、どうかしましたかと首を傾げて聞くと、ややあって、硬直から回復した先輩は、諦めたように長い溜息を吐いて。
「……わかったよ、行く。行くからお前ら、頼む、揃ってそんな目で見んな」
そう呻くように呟いた。
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